耳鳴りに対する鍼灸治療(戦場鍼・BFA)

患者:60代 男性 

主訴:右耳鳴り、肩こり

現病歴:
ある冬の寒い日の朝、異常な肩こりと共に耳がこもったような感じになり聞こえが悪くなった。翌日、聞こえは戻ったが耳鳴りが残った。市内の耳鼻咽喉科を受診して「メニエール病の入口かもしれない」と診断を受ける。
イソバイド、アデボス、メチコバール、バルサルタン、アトルバスタチン、アムロジピン、フェブキソスタットを処方され、1ヶ月経過したが一向に良くならないのでインターネットで検索して、この様な症状に対して「戦場鍼が良い」という情報をSNS等で知り当院に来院された。

治療:
肩こりの解消と内耳と前頭葉の血流改善を目的とした耳介鍼通電(著者は松浦流BFA※1と呼称)を施した。更に施術効果を長く維持するためにBFAで使用するポイントから両耳の帯状回と視床へASP-Titaniumを刺鍼した。

治療補足:
ASP鍼の抜針に4日後にご来院して頂くように指示した。尚、8回目の施術はASP鍼を使った施術はしていない。
※1:BFA(米空軍が開発した鍼施術法である「戦場鍼」=Battlefield Acupunctureの日本に於ける呼称)

経過:
週に1度の通院を指示、2回目の施術を受けてかなり効果があったと3回目の来院時に話してくれた。その後も週に1回の通院をつづけて7回目の施術後からほとんど耳鳴りを感じなくなったと8回目の来院時に話してくれた。8回目の施術を最後に当院での施術を終了する。

経過補足:
この症例報告執筆時点で最後の施術から14日経過しているが全く耳鳴りは出ていない事を本人から電話で確認した。

考察:
初診時NRS(Numerical Rating Scale)4(本人の言葉通り書くと耳鳴りは気になるが日常生活はできる状態)であった症状が8回の施術にてNRS0(耳鳴りなし)まで減少して本人も納得の上で施術を終了する事ができた。
筋緊張緩和、鎮痛、抗不安の他に前頭葉の血流増加と内耳の血流増加の作用が期待できるBFAポイントへの刺激が本症例においては奏効していると考えている。加えて、持続的な刺激効果を発揮できるASP-Titaniumを活用していることが本症例には著効したと考えている。

ASPは未承認医療機器です

  • Sedatelec SAS(フランス)より、医師、歯科医師、鍼灸師が個人輸入しております。
  • 同一の成分や性能を有する他の国内承認医療機器等はございません。
  • MDR(欧州医療機器),FDA(アメリカ医療機器),SOR(カナダ医療機器)等の認証を取得しております。