シンスプリントに対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)は、特にランニングやジャンプを繰り返すスポーツ選手に多くみられる、すねの内側の痛みを伴う疾患です。初期では違和感や鈍痛から始まり、悪化すると運動が困難になるほど強い痛みへと進行します。
鍼灸は、炎症の緩和や筋肉の緊張緩和、血流改善などを通じて、シンスプリントの回復を助ける有効な治療法です。
シンスプリントの症状と特徴を理解する
- すねの内側(脛骨内側縁)に沿った鈍痛や圧痛
- 運動時または運動後の痛み(特にランニング・ジャンプ後)
- 症状が進むと安静時や歩行時にも痛みが出る
- 両脚または片脚のみに発症することもある
シンスプリントの原因と発症メカニズム
オーバーユース(使いすぎ)
長距離走、ジャンプ、ハードなトレーニングの繰り返しにより、筋肉・腱が骨膜を牽引して炎症を起こします。
筋緊張と柔軟性低下
ヒラメ筋や後脛骨筋などの過緊張により、脛骨内側に繰り返しの牽引力が加わり発症します。
不適切なフォーム・シューズ・路面
足首の過回内(オーバープロネーション)や、クッション性の低い靴、硬い地面でのトレーニングが原因となります。
回復力の低下
筋疲労の蓄積や血流不足があると、炎症が慢性化しやすくなります。
鍼灸治療がシンスプリントに効果を発揮するメカニズム
患部周辺の血流促進
鍼刺激により筋膜や骨膜周囲の循環が改善し、炎症物質の排出と修復促進が期待されます。
筋緊張の緩和
後脛骨筋、ヒラメ筋、腓腹筋など、原因筋に直接アプローチすることで、痛みの原因を根本から解消します。
内因性鎮痛系の活性化
エンドルフィンなどの鎮痛物質を分泌させ、疼痛の知覚を抑えます。
再発防止へのアプローチ
全身の筋バランスや姿勢調整も含めて行うことで、スポーツ復帰後の再発を予防します。
現代医学からみた鍼灸治療の効果
シンスプリントに対する従来の保存療法(アイシング・安静・ストレッチ)に加え、鍼灸は直接的に痛みの原因となる筋・腱に作用できる点が特徴です。
特に初期段階や、慢性化したケースにおいては、筋肉や骨膜へのアプローチができる鍼灸が有効な補完療法として注目されています。
科学的研究からみる鍼灸の効果
スポーツ障害に対する鍼治療の有用性(韓国・2017年)
- 対象:運動器障害を持つ若年層アスリート126名
- 結果:鍼治療群は疼痛スコア・回復時間・再発率において対照群より有意に良好
- 引用:Lee S. et al., “Acupuncture for sports-related injuries: a clinical study”, J Acupunct Res, 2017
慢性シンスプリントに対する鍼+理学療法の併用効果(中国・2020年)
- 対象:慢性シンスプリント患者80名
- 結果:鍼+理学療法群でVASスコアが顕著に低下し、回復期間が短縮
- 引用:Zhou H. et al., “Acupuncture combined with physiotherapy for chronic medial tibial stress syndrome”, Chinese J Sports Med, 2020
鍼灸治療の禁忌と注意点
- 疲労骨折(脛骨のストレスフラクチャー)との鑑別が必要です。強い腫れ・運動時の鋭い痛みがある場合は整形外科での診察を優先してください。
- 糖尿病・循環器疾患をお持ちの方は、刺激量や施術部位に配慮します。
- 施術後の一時的な痛みやだるさ(好転反応)は一過性のものが多く、数日で回復します。
当院でのシンスプリント治療の実際
局所治療:すねの内側(脛骨内側縁)に沿った圧痛点、関連する筋肉(後脛骨筋・ヒラメ筋・腓腹筋など)に対して鍼治療を行い、過緊張の緩和と炎症の沈静化を図ります。
全身治療:股関節・骨盤・体幹のアライメントを整えることで下肢への負担を減らし、再発防止を目指します。自律神経へのアプローチも加えることで、自然治癒力の底上げを行います。
耳介療法(BFA®または各種耳鍼療法):長時間にわたる鎮痛効果を得るためには、「戦場鍼(BFA®)」の活用が非常に有効です。持続的な刺激によって、運動後や夜間の痛みに対しても効果が期待できます。


鍼灸治療の可能性と未来
シンスプリントは「我慢すれば治る」と放置されがちですが、悪化すると疲労骨折に進行し、長期離脱を強いられるリスクもあります。
鍼灸による早期治療は、競技復帰のスピードと再発防止の両面において有効です。
スポーツに打ち込む方、ランニングや登山を続けたい方こそ、ぜひ鍼灸の力を活用してください。
シンスプリントでお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
