頸椎症性神経根症に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

鍼灸効果シリーズ

首から肩・腕にかけての痛みやしびれに悩まされていませんか?
それは、頸椎(けいつい)の変性によって神経が圧迫されて起こる「頸椎症性神経根症」の可能性があります。
本記事では、現代医学の知見をふまえながら、鍼灸によるアプローチの有効性とその具体的な方法について解説します。


頸椎症性神経根症とは?

頸椎症性神経根症とは、首の骨(頸椎)に生じた変性や椎間板の変化によって、脊髄から枝分かれした神経(神経根)が圧迫・刺激され、首から腕にかけての痛みやしびれなどの症状が現れる疾患です。

高齢者に多い疾患ですが、デスクワークやスマートフォン操作による姿勢不良(ストレートネック)の影響で、若年〜中年層にも増えています。


症状と特徴

頸椎症性神経根症の主な症状は以下の通りです。

  • 首の痛み(片側が多い)
  • 肩甲骨周辺の痛みや張り感
  • 腕や手のしびれ、だるさ
  • 特定の方向に首を動かすと悪化
  • 握力の低下や細かい動作のしにくさ
  • 夜間や朝方に悪化する場合も

特に、第5〜7頸神経根(C5〜C7)の圧迫が多く、肩〜上腕〜前腕〜指先にかけて放散するような痛みやしびれが特徴的です。


原因とメカニズム

頸椎症性神経根症の主な原因は以下の通りです。

  • 椎間板の変性・狭小化
  • 骨棘(こつきょく)の形成(骨のトゲ)
  • 椎間関節の変性
  • 椎間孔の狭窄
  • 長期の姿勢不良(猫背、ストレートネック)
  • 筋肉の過緊張による神経の牽引や圧迫

加齢による変性が最も多い要因ですが、近年では姿勢の問題が非常に大きな関係を持っています。
特に、長時間のスマートフォン使用やPC作業での首前傾姿勢は、頸椎への負荷を増やし、椎間板や神経への慢性的な圧迫を招きます。


鍼灸の作用機序

鍼灸では、以下のような生理学的効果を活かして治療を行います。

1. 筋緊張の緩和と血流改善

首や肩周辺の過緊張した筋肉に鍼刺激を加えることで、局所の血流が改善し、筋由来の神経圧迫が軽減されます。

2. 神経根の除圧サポート

直接的に骨の構造を変えることはできませんが、筋肉性の二次的な圧迫や牽引を和らげることで、神経への負担を軽減できます。

3. 中枢神経系への調整

耳鍼や背部のツボ刺激を通じて、脳と脊髄の反応性を穏やかにし、過敏になっている神経伝達を安定化させます。

4. 自律神経と免疫の調整

交感神経の過緊張やストレス性の影響を調整し、全身の回復力を高めることにもつながります。


現代医学からみた鍼灸効果

鍼灸は補完代替医療の一つですが、頸椎症性神経根症に対する効果を裏付ける研究も増えています。

以下の論文では、頸椎症性神経根症に対して鍼灸が一定の効果を示す可能性があると報告されています。

  • Liu H et al., 2015
    “Acupuncture for cervical radiculopathy: a systematic review and meta-analysis”
    → 鍼治療が頸椎症性神経根症の痛みと機能障害の改善に寄与する可能性が示唆された。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26595739/
  • Gadau M et al., 2014
    “Acupuncture for the treatment of cervical radiculopathy: a systematic review and meta-analysis”
    → 通常治療に加えた鍼灸の併用群で症状改善が有意に高かった。
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25313983/

これらの研究は主に中国や韓国を中心とした臨床試験をベースにしていますが、一定の鎮痛作用・機能改善効果が見られています。


禁忌と注意点

鍼灸治療を安全に行うために、以下の点に留意する必要があります。

  • 画像診断未実施の方は、まず整形外科での診断が必要です
  • 進行した麻痺症状(脱力、排尿障害)がある場合は脊髄症の可能性があるため、鍼灸適応外
  • 過度の刺激や過頻回な施術は症状を悪化させる場合があるため注意が必要
  • 症状の原因が内臓由来や腫瘍性の場合、鍼灸のみの対処は不適切

当院では、医師の診断を経て、安全性が確認されたケースのみに対して鍼灸治療を提供しています。


当院での治療内容

当院では、以下のようなアプローチで頸椎症性神経根症に対応しています。

  • 全身治療:首・肩・背中・腰などの筋緊張を調整し、自律神経と血流を整える
  • 局所治療:頸部・肩甲帯のトリガーポイントや神経走行に沿ったツボに鍼を使用
  • 耳鍼療法(BFA・MSEA):痛みや過緊張に対して長時間作用するASPやマグレインを使用

治療頻度は週1~2回から始めてみて下さい。

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鍼灸治療の可能性と未来

頸椎症性神経根症は、手術を要する重症例もありますが、多くは保存的療法で改善が見込める疾患です。
その中で、筋緊張や血流の改善、自律神経の調整に強みを持つ鍼灸は、有効な選択肢のひとつとして今後も期待されています。

近年では、エビデンスを伴う耳鍼(BFA)や全身治療との組み合わせがより注目されつつあります。
当院では、こうした現代的なアプローチを活かしながら、患者さま一人ひとりに寄り添った施術を行っております。


頸椎症性神経根症でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

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