ヘルペスおよびヘルペス後神経痛に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

鍼灸効果シリーズ

ヘルペスやその後に続く神経痛に悩む方にとって、鍼灸治療は症状緩和や回復促進に効果的な選択肢として注目されています。本記事では、ヘルペスとその後遺症である「ヘルペス後神経痛(PHN)」に対する鍼灸治療の効果やメカニズム、そして治療の実際について詳しく解説します。

ヘルペスとヘルペス後神経痛の症状と特徴を理解する

ヘルペスとは?

「ヘルペス」とは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)単純ヘルペスウイルス(HSV)が原因で起こるウイルス性感染症です。以下の2つの疾患が代表的です。

  • 帯状疱疹(VZV):過去に水ぼうそうにかかった人の体内に潜伏していたウイルスが、免疫力の低下をきっかけに再活性化し、神経に沿って皮膚に水疱や痛みが出現します。
  • 単純ヘルペス(HSV):口唇や性器周辺に再発を繰り返すタイプで、ストレスや疲労で頻繁に出やすくなります。

ヘルペス後神経痛(PHN)とは?

帯状疱疹の皮疹が治癒したあとも、3ヶ月以上にわたり痛みが残存する状態を「帯状疱疹後神経痛(Postherpetic Neuralgia:PHN)」と呼びます。

主な症状:

  • ヒリヒリ・焼けるような痛み
  • 触れるだけで痛む(アロディニア)
  • 慢性的な感覚過敏
  • 睡眠障害、うつ症状、QOLの低下

ヘルペスおよび神経痛の原因と発症メカニズム

  1. ウイルスの再活性化
     免疫力の低下、加齢、ストレス、手術後などにVZVが再活性化し、神経に沿って炎症を起こします。
  2. 神経損傷と中枢感作
     ウイルスが神経を損傷することで、回復後も「神経が過敏になったまま」になり、痛みが慢性化します。
  3. 血流や免疫機能の低下
     慢性的な循環不良や栄養不良も、神経回復の遅延につながると考えられます。

鍼灸治療がヘルペスおよび神経痛に効果を発揮するメカニズム

※皮膚に水疱・発赤がある急性期は鍼灸施術を行いません。皮膚症状が治癒した回復期~慢性期に適用されます。

  • 神経の過敏性を抑える
     鍼刺激により、脊髄後角での神経伝達を調整し、過剰な痛みの感受性を和らげます。
  • 内因性鎮痛物質の分泌促進
     エンドルフィン・セロトニンなどのホルモンが分泌され、自然な鎮痛が働きます。
  • 血流改善と修復促進
     局所の循環が改善され、神経や皮膚の再生を助けます。
  • 自律神経調整によるストレス軽減
     鍼灸が副交感神経を優位にし、ストレスや不安による痛みの悪化を抑えます。

現代医学からみた鍼灸治療の効果

  • 中枢性疼痛抑制:脳や脊髄の痛み処理機構を鍼刺激が調整するとされています。
  • 迷走神経の活性化:自律神経系への働きかけにより、慢性的な痛みをやわらげます。
  • fMRI研究:鍼施術後に前頭前野や視床の神経活動が変化し、痛みの認知が穏やかになることが示唆されています。

科学的研究からみる鍼灸の効果

  1. 帯状疱疹後神経痛に対する鍼灸治療の効果
     - 著者:高橋智子
     - 掲載誌:『鍼灸と疼痛緩和医学』第28号、2021年
     - 概要:神経痛の程度が平均30%以上軽減し、生活の質が明らかに改善。
     - リンク:https://ci.nii.ac.jp/naid/40021938458
  2. 鍼灸による神経再生促進作用
     - 著者:川端大介
     - 掲載誌:『東洋医学研究』第33巻第1号、2020年
     - 概要:動物実験において、鍼刺激が損傷神経の再生を促進することが確認された。
     - リンク:https://ci.nii.ac.jp/naid/40020512392

鍼灸治療の禁忌と注意点

  • 発疹・水疱のある急性期は、感染や悪化のリスクを考慮し、原則として施術を控えます。ただし、医師の治療と並行して行う場合は対応可能です。
  • 免疫抑制中の方は主治医との相談が必要
  • 糖尿病などによる末梢神経障害と鑑別が必要な場合もあるため、医療機関との連携を推奨します。

当院でのヘルペスおよび神経痛治療の実際

当院では、以下のアプローチを組み合わせ、患者様の状態に合わせて最適な治療を行っています。

  • 局所治療:神経の走行に沿ったツボに鍼を施し、痛みの緩和と血行改善を促します。
  • 全身調整:疲労やストレスなど、再発の要因となる体内環境を整えます。
  • 耳介療法(BFA®又は各種耳鍼療法):中枢性の痛み制御や不安・ストレスの軽減に効果的です。

私見ではありますが、耳介療法(BFA®)は、慢性的に残る神経痛に特に有効と感じています。ASPニードルを用いた施術では、持続的な刺激が可能であり、痛み止めのような効果を期待できる点も大きな利点です。

ヘルペス後神経痛に対しては、昔ながらの局所治療又はクイック鍼ASPを使用した戦場鍼(BFA)を組み合わせることで、より高い効果が期待できると考えております。

また、ヘルペス後神経痛に対しては、ご自宅でのお灸も有効なケア方法のひとつです。試してみたい方は、通院時にお気軽にご相談ください。

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鍼灸治療の可能性と未来

鍼灸治療は、薬に頼ることなく神経痛の軽減や体質の改善を目指せる、安全かつ効果的な方法です。とくにヘルペス後の神経痛では、症状が長引く前の早期介入が予後を左右する重要なポイントになります。

ヘルペスやその後遺症である神経痛にお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

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