スマホ首に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

スマホ首に悩む方にとって、鍼灸治療は首や肩のこり、頭痛、姿勢不良による不快感を和らげる有効なアプローチとして注目されています。本記事では、スマホ首に対する鍼灸治療の効果や科学的根拠、さらに当院での治療例について詳しく解説します。
スマホ首の症状と特徴
スマホ首とは、長時間スマートフォンやパソコンを使用することで首が前方に突き出し、頚椎の自然なカーブ(生理的前弯)が失われた状態を指します。現代社会で急増している姿勢性の不調の一つです。
主な症状
- 首や肩のこり・痛み:筋肉の緊張が続き、慢性的なこりを生じやすい。
- 頭痛:後頭部や側頭部に緊張型頭痛が出やすい。
- めまい・集中力低下:脳への血流不足が影響する場合がある。
- しびれや違和感:頚椎への負担が神経に影響することもある。
スマホ首の原因と発症メカニズム
- 前傾姿勢の持続
頭部が前に突き出ることで、首や肩の筋肉に大きな負担がかかる。 - 筋肉のアンバランス
前側の筋肉が縮み、後ろ側の筋肉が過度に引っ張られる状態になる。 - 血流不良
首や肩の筋肉が硬直し、血液やリンパの循環が悪化。 - 神経圧迫
姿勢の崩れにより、神経への負担が増し、しびれや違和感が出ることもある。
鍼灸治療がスマホ首に効果を発揮するメカニズム
- 筋緊張の緩和:首や肩のこりをほぐし、負担を軽減します。
- 血流改善:鍼刺激で局所循環を促し、酸素と栄養供給を改善します。
- 鎮痛効果:エンドルフィン分泌を促し、痛みの閾値を上げます。
- 自律神経の調整:交感神経の過緊張を抑え、リラックス効果を高めます。
現代医学からみた鍼灸治療の効果
スマホ首は「ストレートネック」の一種であり、鍼灸は直接骨格を矯正するわけではありませんが、筋肉の過緊張を緩和し血流を改善することで、頚椎にかかる負担を軽減することができます。リハビリやストレッチと組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
科学的研究からみる鍼灸の効果
頚部痛に対する鍼治療のメタ分析
- 結果:鍼治療はプラセボ群に比べて有意に痛みを軽減し、可動域を改善することが示された。
- 引用:Trinh K et al., Acupuncture for neck disorders, Cochrane Database Syst Rev, 2016
鍼治療+運動療法の併用効果
- 結果:鍼とストレッチを組み合わせた群では、3か月後の疼痛軽減と姿勢改善が顕著だった。
- 引用:Lee JH et al., Combined acupuncture and exercise for chronic neck pain, Pain Physician, 2017
鍼灸治療の禁忌と注意点
- 強いしびれや麻痺、排尿障害など脊髄症状がある場合は整形外科を優先。
- 急性の外傷(むち打ちや骨折)は鍼灸単独での治療は不適応。
- 抗凝固薬を使用中の方は出血リスクに注意して施術を行う必要があります。
当院でのスマホ首治療の実際
局所治療:首・肩のこりや痛みの強い部位に鍼を施し、筋緊張を和らげます。
全身治療:首や肩だけでなく、背中や腰など関連する筋肉の緊張を和らげることで、頚椎への負担を軽減します。また、自律神経や血流のバランスを整えることで、体全体の回復力を高め、症状の再発予防につながります。
耳介療法(BFA®又は各種耳鍼療法):痛みや緊張に対して中枢性の鎮痛効果を発揮し、持続的な刺激でストレス性の症状も改善します。
私見:私見ですが、スマホ首には「局所治療」に加えて「ASPを使用したBFA(戦場鍼)」を組み合わせることで、日常生活の動作改善に効果的なケースが多く見られます。ASPニードルによる持続的な刺激により、痛み止めに似た効果を得られることが大きな利点です。


※スマホ首による首肩の痛みの症状について、医師による同意書が発行された場合、療養費制度を利用して鍼灸治療を受けられる可能性がございます。
鍼灸治療の可能性と未来
スマホ首は現代人に非常に多く見られる不調ですが、早期に鍼灸治療を取り入れることで慢性化を防ぎ、生活の質を大きく改善できます。ストレッチや姿勢改善と併用することで、より効果的な治療が期待できます。
スマホ首でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。
