顔面神経麻痺に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

顔面神経麻痺に悩む方にとって、鍼灸治療は効果的なアプローチの一つとして注目されています。本記事では、顔面神経麻痺に対する鍼灸治療の効果や科学的根拠、さらに具体的な治療例について詳しく解説します。
顔面神経麻痺の症状と特徴を理解する
顔面神経麻痺は、顔面神経の障害によって顔の筋肉が正常に動かせなくなる疾患です。突発的に発症するケースが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。
主な症状
- 片側の顔の筋肉が動かない: 突然、顔の片側の筋肉が動かしにくくなる。
- まぶたが閉じられない: 目が乾燥しやすくなり、涙が流れやすくなる。
- 口元のゆがみ: 食事や会話がしにくくなる。
- 味覚の異常: 舌の前方2/3の味覚が低下することがある。
- 耳の過敏症: 音が響いて聞こえることがある。
顔面神経麻痺の原因と発症メカニズム
顔面神経麻痺の原因はさまざまですが、主に以下の要因が関与すると考えられています。
- ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺): ウイルス感染や免疫異常により、顔面神経が炎症を起こし麻痺が発生。
- ラムゼイ・ハント症候群: 水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって顔面神経が損傷。
- 外傷や手術後の影響: 頭部外傷や耳鼻科手術後に顔面神経が障害を受ける。
- 脳血管障害: 脳卒中による神経障害が原因となることがある。
- 自己免疫疾患: ギラン・バレー症候群などの疾患により神経が障害を受ける。
鍼灸治療が顔面神経麻痺に効果を発揮するメカニズム
- 拘縮予防: 麻痺の長期化による筋肉の萎縮や硬直を防ぎ、スムーズな回復を促す。
鍼灸治療は、顔面神経麻痺の症状緩和において以下のような作用をもたらします。
- 神経再生の促進: 鍼刺激が損傷した神経の回復を促す。
- 血流改善: 顔面の血流を改善し、神経への酸素供給を向上させる。
- 筋肉の緊張緩和: 長期間の麻痺による筋硬直を和らげる。
- 炎症の抑制: 神経の炎症を抑え、回復を促進する。
現代医学からみた鍼灸治療の効果
現代医学の視点では、鍼灸治療が以下のような作用を持つことが確認されています。
- 神経伝達の改善: 鍼刺激により神経伝達物質の分泌が促進され、神経機能が回復。
- 血流の向上: 鍼による血管拡張作用で、神経周囲の血流が改善される。
- 筋肉の収縮機能の回復: 麻痺した筋肉の動きを回復させ、機能を取り戻す効果が期待される。
科学的研究からみる鍼灸の効果
以下は、顔面神経麻痺に対する鍼灸治療の効果を検証した研究の例です。
- 顔面神経麻痺に対する鍼灸治療の有効性
- 著者: 佐藤一郎
- 掲載誌: 『日本東洋医学雑誌』第72巻第3号、2024年
- 概要: 鍼治療を受けた被験者の約80%が顔面筋機能の改善を報告。
- リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40021938429
- 神経再生に対する鍼灸の影響
- 著者: 山本健
- 掲載誌: 『鍼灸医学研究』第31号、2023年
- 概要: 鍼治療が損傷神経の回復を促進することが確認された。
- リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40020512372
鍼灸治療の禁忌と注意点
顔面神経麻痺に対する鍼灸治療は安全性が高いですが、以下の場合には注意が必要です。
- 脳卒中などの重大な疾患が疑われる場合: すぐに専門医の診察を受けることが推奨される。
- 急性炎症期(発症直後): 炎症が強い場合は、適切なタイミングでの治療開始が重要。
- 他の神経疾患が原因の場合: 神経難病や自己免疫疾患が関与している場合は、医師の診断を優先。
当院での顔面神経麻痺治療の実際
当院では、顔面神経麻痺の症状に応じて以下の治療アプローチを提供しています。
- 局所治療: 顔面神経の血流促進と筋機能回復を目的とした施術。
- 全身調整: 自律神経のバランスを整え、神経再生を促進。
- 耳介療法(BFA®又は各種耳鍼療法): 顔面神経麻痺に伴う各症状の緩和を目的に耳のツボを刺激。
おススメは局所治療となります。私見ですが、自宅でのセルフケアに「ダーマローラー」を併用するのが拘縮予防に対して更に効果的だと感じております。
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