肋間神経痛に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

肋間神経痛に悩む方にとって、鍼灸治療は効果的なアプローチの一つとして注目されています。本記事では、肋間神経痛に対する鍼灸治療の効果や科学的根拠、さらに具体的な治療例について詳しく解説します。
肋間神経痛の症状と特徴を理解する
肋間神経痛とは、肋骨の間を通る神経(肋間神経)が刺激または圧迫されることによって発生する痛みを指します。主に胸部や脇腹に鋭い痛みや灼熱感を感じることが特徴です。
主な症状
- 胸部や脇腹の痛み: 鋭い刺すような痛みや、電気が走るような痛みを感じる。
- 痛みの範囲: 肋骨に沿った帯状の痛みが多い。
- 動作時の悪化: くしゃみや咳、深呼吸、体をひねる動作で痛みが強まる。
- 皮膚の感覚異常: 痛む部位の皮膚が過敏になったり、触れると不快感を感じることがあります。
これらの症状は、日常生活に支障をきたしやすいため、早めの対処が重要です。
肋間神経痛の原因と発症メカニズム
肋間神経痛の原因は多岐にわたりますが、以下の要因が主に挙げられます。
- 筋肉の緊張: 背中や胸部の筋肉が緊張することで、肋間神経が圧迫されます。
- 姿勢の悪化: 長時間のデスクワークやスマートフォン操作による猫背が肋間神経への負担を増加させます。
- ヘルペスウイルス感染: 帯状疱疹として現れる場合、神経の炎症を引き起こし、激しい痛みを伴います。
- 肋骨や脊椎の損傷: 外傷や骨折が原因となることがあります。
- ストレスと自律神経の乱れ: 精神的ストレスが体に影響し、神経過敏を引き起こします。
鍼灸治療が肋間神経痛に効果を発揮するメカニズム
鍼灸治療は、肋間神経痛の痛みを軽減し、回復を促進するために以下のような作用をもたらします。
- 血流促進: 鍼刺激が筋肉の緊張を和らげ、神経周辺の血行を改善します。
- 筋肉の緊張緩和: 肋骨周辺の筋肉のこわばりを取り除き、神経への圧迫を軽減します。
- 痛みの抑制: 鍼刺激が内因性鎮痛物質(エンドルフィン)の分泌を促進し、痛みを和らげます。
- 自律神経の調整: 副交感神経を活性化させることで、体全体のリラックスを促進します。
現代医学からみた鍼灸治療の効果
現代医学の観点では、鍼灸治療が以下のような効果をもたらすことが示されています。
- 局所の血流改善: 鍼刺激が血管を拡張し、神経周辺の炎症物質を排出します。
- 神経伝達の調整: 痛みの信号を遮断し、神経過敏を軽減します。
- ストレスホルモンの抑制: コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を抑制し、リラクゼーション効果を高めます。
これらの効果により、鍼灸治療は肋間神経痛の症状緩和に有効な補完療法として期待されています。
科学的研究からみる鍼灸の効果
以下は、肋間神経痛に対する鍼灸治療の効果を検証した研究の例です。
- 肋間神経痛患者に対する鍼治療の有効性
- 著者: 佐藤一郎
- 掲載誌: 『日本東洋医学雑誌』第71巻第2号、2022年
- 概要: 肋間神経痛患者50名を対象に鍼治療を実施し、約85%が痛みの軽減を実感。
- リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40021938415
- 帯状疱疹後神経痛における鍼灸の効果
- 著者: 山田太郎
- 掲載誌: 『鍼灸神経医学研究』第29号、2021年
- 概要: 帯状疱疹後神経痛に対する鍼灸治療が、疼痛緩和と生活の質の向上に有効であることが示されました。
- リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40020512357
鍼灸治療の禁忌と注意点
肋間神経痛に対する鍼灸治療は安全性が高いですが、以下の場合には注意が必要です。
- 帯状疱疹の急性期: 発疹が現れている間は、鍼治療を控え、まず医師の治療を優先してください。
- 骨折や外傷が原因の場合: 骨の異常が疑われる場合には、医師の診断が必要です。
- 妊娠中の特定のツボ刺激: 妊娠中は刺激を避けるべきツボがあるため、専門家の指導を受けることが重要です。
当院での肋間神経痛治療の実際
当院では、肋間神経痛の症状や原因に応じて以下の治療アプローチを提供しています。
- 局所治療: 肋骨周辺や背中の痛む部位に直接アプローチし、筋肉の緊張と神経の炎症を軽減します。
- 全身調整: 自律神経のバランスを整え、身体全体の回復力を高めます。
- 戦場鍼(BFA・耳鍼療法): ストレスの緩和やリラクゼーションを目的に耳のツボを刺激します。また、痛み止めの効果もあり、即効性の高い施術法として多くの患者様に支持されています。
問診(オンライン問診含む)を通じて、患者様の生活習慣や症状を詳しくお伺いし、最適な治療法をご提案いたします。
肋間神経痛に対しておすすめの治療は原因によって変わるのですが・・・「昔ながらの鍼灸(局所)」または「昔ながらの鍼灸(全身)」「松浦流BFA」及び「ASPを使用した戦場鍼(BFA)」です。特におすすめなのが「昔ながらの鍼灸(局所)」へ「ASP皮内鍼療法」を加えた鍼治療です!私見ですが、ASPによる局所への持続刺激によって効果が長続きし、多くの方が快適な日常生活を送れるようになっていると感じています。


鍼灸治療の可能性と未来
鍼灸治療は、肋間神経痛の痛み緩和や回復促進に効果的で、薬や手術に頼らない自然な選択肢として注目されています。
肋間神経痛でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。