テニス肘に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

鍼灸効果シリーズ

テニス肘に悩む方にとって、鍼灸治療は効果的なアプローチの一つとして注目されています。本記事では、テニス肘に対する鍼灸治療の効果や科学的根拠、さらに具体的な治療例について詳しく解説します。

テニス肘の症状と特徴を理解する

テニス肘(外側上顆炎)は、肘の外側にある筋肉や腱が炎症を起こし、痛みや動作の制限を引き起こす疾患です。名前に「テニス」と付いていますが、実際にはテニス以外のスポーツや日常生活の動作でも発症することがあります。

主な症状

  • 肘の外側の痛み: 特に物を持ち上げる、握る、手首を伸ばす動作で痛みが強くなります。
  • 肘の外側の圧痛: 肘の外側を押すと鋭い痛みを感じることがあります。
  • 握力の低下: 痛みのために物をしっかり握ることが難しくなる場合があります。
  • 腕や肘のだるさ: 長時間の作業後に疲労感が強まることがあります。

これらの症状は慢性化しやすく、適切な治療を行わない場合、日常生活やスポーツに支障をきたすことがあります。

テニス肘の原因と発症メカニズム

テニス肘は、以下のような要因が複合的に絡み合って発症します。

  1. 反復的な動作: 手首や肘を繰り返し使うことで、筋肉や腱に過剰な負荷がかかります。
  2. 使い過ぎ: 長時間のパソコン作業、工具の使用、重い物の持ち上げなどが原因になります。
  3. 筋肉のアンバランス: 前腕の筋肉群が適切に働かず、一部の筋肉や腱に負担が集中します。
  4. 年齢による組織の変性: 腱や筋肉の弾力性が低下し、損傷を受けやすくなります。

鍼灸治療がテニス肘に効果を発揮するメカニズム

鍼灸治療は、テニス肘の痛みや炎症を緩和し、症状の改善に役立つ以下の作用があります。

  • 血流の促進: 鍼刺激により局所の血流が改善され、炎症物質の排出が促進されます。
  • 筋肉の緊張緩和: 前腕の筋肉や腱の過剰な緊張を和らげ、肘への負担を軽減します。
  • 痛みの抑制: 鍼刺激が内因性鎮痛物質(エンドルフィン)の分泌を促進し、痛みを軽減します。
  • 関節の可動域改善: 鍼治療と共にストレッチなどを組み合わせることで、肘の動きを改善します。

現代医学からみた鍼灸治療の効果

現代医学では、鍼灸治療が以下のような作用を持つことが示されています。

  1. 局所の血流改善: 鍼刺激により血管が拡張し、損傷組織への酸素や栄養の供給が促進されます。
  2. 炎症の抑制: 鍼刺激が神経系に働きかけ、炎症性サイトカインの産生を抑制します。
  3. 神経伝達の調整: 痛みの信号を遮断し、痛覚過敏を抑える効果があります。

これらの作用により、鍼灸治療はテニス肘の症状緩和と回復をサポートする有効な補完医療と考えられています。

科学的研究からみる鍼灸の効果

以下は、テニス肘に対する鍼灸治療の効果を検証した研究の例です。

  1. テニス肘患者への鍼治療の効果
    • 著者: 佐藤正樹
    • 掲載誌: 『日本東洋医学雑誌』第68巻第4号、2020年
    • 概要: テニス肘患者50名を対象に鍼治療を行い、痛みの軽減と筋力の向上が確認されました。
    • リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40021938410
  2. 鍼灸治療が筋骨格系疾患に与える影響
    • 著者: 山田隆
    • 掲載誌: 『鍼灸とリハビリテーション』第23号、2021年
    • 概要: テニス肘を含む筋骨格系疾患における鍼灸治療が疼痛緩和と機能改善に効果的であることが示されました。
    • リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40020512352

鍼灸治療の禁忌と注意点

テニス肘に対する鍼灸治療は安全性が高いですが、以下の場合には注意が必要です。

  • 急性の重度の炎症がある場合: 過剰な刺激が症状を悪化させる可能性があります。
  • 神経症状を伴う場合: 医師の診断を受けた上で治療を行うべきです。
  • 抗凝固薬を服用している場合: 出血リスクが高まるため、事前に医師に相談してください。

当院でのテニス肘治療の実際

当院では、テニス肘の症状や原因に応じて以下の治療アプローチを提供しています。

  • 局所治療: 肘の痛みのある部位に直接アプローチし、炎症と痛みを軽減します。
  • 全身調整: 自律神経を整え、身体全体の回復力を高めます。
  • 戦場鍼(BFA・耳鍼療法): ストレス緩和やリラクゼーションを目的に耳のツボを刺激します。

問診(オンライン問診含む)を通じて、患者様のライフスタイルや症状を詳しくお伺いし、最適な治療法をご提案いたします。

テニス肘に対しておすすめの治療は、「昔ながらの鍼灸(局所)」または「ASPを使用した戦場鍼(BFA)です。特におすすめなのが「昔ながらの鍼灸(局所)」へ「ASP皮内鍼療法」と加えた鍼治療です!私見ですが、ASPによる局所への持続刺激によって効果が長続きし、多くの方が快適な日常生活やスポーツライフ、部活動を送れるようになっていると感じています。

テニス肘の鍼灸治療における全身治療
テニス肘の原因は、肘外側への負担だけでなく、肩や首の筋緊張、姿勢の崩れ、自律神経の乱れが関与することがあります。鍼灸による全身治療は、上肢全体の筋肉バランスを整え、血流を改善し、肘への負担を軽減するのに効果的です。
急性期では局所治療を優先しつつ、慢性化した場合や再発防止には全身治療を併用することで、痛みの軽減と早期回復が期待できます。

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鍼灸治療の可能性と未来

鍼灸治療は、テニス肘の痛み緩和と機能改善に効果的で、薬や手術に頼らない選択肢として注目されています。

テニス肘でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。

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