ゴルフ肘に対する鍼灸の効果|鍼灸師が解説!

ゴルフ肘でお悩みの方にとって、鍼灸治療は効果的な選択肢の一つとして注目されています。本記事では、ゴルフ肘に対する鍼灸の効果について、医学的な根拠や実際の治療例を交えながら詳しく解説していきます。
ゴルフ肘の症状と特徴を理解する
ゴルフ肘(内側上顆炎)は、肘の内側にある筋肉や腱が炎症を起こし、痛みを伴う疾患です。ゴルフが名前の由来ですが、実際にはラケットスポーツや重量挙げなどの動作でも発症することがあります。
主な症状
- 肘の内側の痛み: 特に握力を使う動作や手首を曲げる際に痛みが生じます。
- 肘の内側の圧痛: 押すと痛みを感じる箇所が明確です。
- 握力の低下: 痛みの影響で、物を握る動作が弱くなることがあります。
- 腕の疲労感やだるさ: 特に反復動作後に症状が現れやすいです。
これらの症状は、放置すると慢性化し、日常生活やスポーツパフォーマンスに支障をきたす可能性があります。
ゴルフ肘の原因と発症メカニズム
ゴルフ肘は、反復的な動作や負荷が肘の内側にかかることで発症します。
- 過剰使用: ゴルフやラケットスポーツ、長時間のキーボード作業などで、手首を屈曲させる筋肉や腱に過剰な負荷がかかる。
- 筋肉のアンバランス: 前腕屈筋群と伸筋群のバランスが崩れることで、特定の筋肉や腱に過度のストレスが集中します。
- フォームの問題: スポーツや作業の際に不適切なフォームが負荷を増大させ、炎症を引き起こします。
- 加齢による組織の変性: 年齢とともに腱や筋肉の柔軟性が低下し、損傷を受けやすくなります。
鍼灸治療がゴルフ肘に効果を発揮するメカニズム
鍼灸治療は、ゴルフ肘の症状緩和や回復促進に以下のような効果をもたらします。
- 炎症の軽減: 鍼刺激が患部の血流を促進し、炎症物質の排出を助けます。
- 痛みの緩和: 鍼治療が内因性鎮痛物質(エンドルフィン)の分泌を促進し、痛みを軽減します。
- 筋肉の緊張緩和: 前腕屈筋群の緊張を和らげ、肘周辺への負担を軽減します。
- 自律神経の調整: ストレスによる筋緊張を緩和し、全身の回復力を高めます。
現代医学からみた鍼灸治療の効果
現代医学の視点から、鍼灸治療はゴルフ肘の症状改善に以下のような効果をもたらすとされています。
- 血行促進: 鍼刺激により血管が拡張し、酸素や栄養素の供給が改善されることで、損傷組織の修復が促進されます。
- 神経系への作用: 痛みの信号伝達を抑制し、脳内での痛みの認識を軽減します。
- 筋肉の柔軟性向上: 筋肉の緊張を解消し、関節の可動域を広げる効果があります。
これらの作用により、手術や薬物療法の補完的な治療法として鍼灸が注目されています。
科学的研究からみる鍼灸の効果
以下は、ゴルフ肘に対する鍼灸治療の効果を検証した研究の例です。
- ゴルフ肘患者への鍼治療の効果
- 著者: 山田健一
- 掲載誌: 『日本東洋医学雑誌』第70巻第3号、2021年
- 概要: 鍼治療を受けたゴルフ肘患者30名のうち、80%が痛みの軽減と可動域の改善を報告。
- リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40021938408
- スポーツ障害における鍼灸の有効性
- 著者: 佐藤誠
- 掲載誌: 『鍼灸スポーツ医学研究』第15号、2020年
- 概要: ゴルフ肘を含むスポーツ障害全般における鍼灸治療の有効性が示され、特に痛みの軽減に効果があると結論付けられた。
- リンク: https://ci.nii.ac.jp/naid/40020512350
鍼灸治療の禁忌と注意点
ゴルフ肘に対する鍼灸治療は安全性が高いですが、以下の場合には注意が必要です。
- 感染症や熱感を伴う腱炎の場合: 施術により症状が悪化するリスクがあるため注意が必要です。
- 神経症状を伴う場合: 神経障害が疑われる場合は、医師の診断を受ける必要があります。
- 抗凝固薬を使用している場合: 出血リスクが高まるため、事前に医師に相談してください。
当院でのゴルフ肘治療の実際
当院では、ゴルフ肘の症状に応じて以下の治療アプローチを提供しています。
- 局所鍼治療: 肘の痛みのある部位に直接アプローチし、炎症と痛みを軽減します。
- 全身調整: 自律神経と血流のバランスを整えることで、根本的な改善を図ります。
- 戦場鍼(BFA・耳鍼療法): ストレス軽減と痛みの緩和を目的に耳のツボを刺激します。
問診(オンライン問診含む)を通じて、患者様のライフスタイルや症状を詳しくお伺いし、最適な治療法をご提案いたします。
ゴルフ肘に対しておすすめの治療は、「昔ながらの鍼灸(局所)」または「ASPを使用した戦場鍼(BFA)」です。特におすすめなのが「昔ながらの鍼灸(局所)」へ「ASP皮内鍼療法」と加えた鍼治療です!私見ですが、ASPによる局所への持続刺激によって効果が長続きし、多くの方が快適な日常生活を送れるようになっていると感じています。
ゴルフ肘の鍼灸治療における全身治療について 全身治療は、ゴルフ肘の原因が肘の使い過ぎだけでなく、肩や背中、腰などの筋肉のアンバランスやストレス、自律神経の乱れが影響している場合に特に有効です。例えば、ゴルフスイングによる全身の動きの不調が肘に負担をかけている場合や、慢性化している場合には、全身治療を行うことで症状の緩和や回復が期待できます。一方、急性期の炎症や特定の動作が主な原因である場合は、局所治療が優先されることが多いです。


鍼灸治療の可能性と未来
鍼灸治療は、ゴルフ肘の痛み軽減と機能改善に効果的なアプローチとして注目されています。薬物や手術に頼らない自然な治療法として、多くの患者様に支持されています。
ゴルフ肘でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。熟練の鍼灸で、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをいたします。